第二園庭で、3歳児組が迎える初めての夏。年長児たちが、セミの鳴き声に素早く反応し、木に登って捕まえているのを、憧れの眼差しで見つめていました。そんな中、「自分も」と、木登りに挑戦する子が出てきました。
4歳児、5歳児の子どもたちは、ジャンプして一番下の枝に手を掛けるのですが、3歳児組にはちょっと高い・・・。
木に登りたくて集まった面々は、そこで、考えた。
四つん這いになり、登る友だちの台になる。台が低すぎると、枝に手が届かない。高すぎると背中に乗りにくく、バランスも悪いので、絶妙な高さ調整をしています。
こちらは、足を突っ張り地面から両足を離すことに成功。しかし、それ以上は中々、上がれず。友だちが下から、おしりを押して協力。
木登りに早い段階から挑戦していた男児。友だちの協力もあり、ここまで登れるようになりました。現在の3歳児組木登りの高さ最高記録保持者です。
木に登るという、一つの目的を目指して友だちと協力をしています。このような姿が、他の場面でもよく見られるようになってきました。厚労省が示す『保育所保育指針』にも、3歳以上児に関する保育のねらいと内容の人間関係のひとつとして【友だちと楽しく活動する中で、共通の目的を見出し、工夫したり協力したりなどする。】と、あります。つまり、子どもの健全な発達として育って欲しい大事なことなのです。しかし、これが大人主導となり、「手伝ってあげなさいよ」となると、子どもの気持ちの中に損得勘定が芽生えてしまいかねません。表面上の協力になってしまう可能性が大いに含まれているのです。自分たちの目的のために、自然に協力し合うことができるのが、心の発達に繋がっていっているのだと思います。このような場面を見る度に、「よく考えたな」と感心すると共に成長に嬉しさを感じています。
記: 盛