☆保育士ミニコラム☆No.6~卒園児(H19年度卒園)が職業体験にやって来た!Part2

(Part1からの続き・・・)
そんな彼・彼女らが中学3年生になり、職業体験をするようになるとは・・・なんとも月日が経つのは早いものだと実感します。
まず、体験初日には、ひまわりで過ごした時代の思い出や、過去の自分と現在の自分がどう繋がっているか等を、一人一人に書き出してもらいました。
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・外でたくさん遊んでいたから、運動が好きになった。
・木材で家作りをしたこと等で、創造性が膨らんだ。図工の授業が楽しみになった。
・友だちとよく遊んでいたから、小学校での友だち作りに苦労しなかった。
・ケンカした時にも、止めずに見守り、気が済むまでさせてくれたのが良かった。
・ひまわりでは、木登りなど、少し危険なことも自由にさせてくれて楽しかった。
・園庭や室内に遊具が無かったのが良かった。その方が自分たちで遊び方を見つけられたから。小学校へ行った後も、遊具が無くても遊ぶ方法(遊び方)を他の友だちに教えて喜ばれた。
・ひまわり卒園のメンバーが、今でも男女関係なく仲が良い。
・「自分のやりたいこと」をさせてもらっていたのが、今となっては「守られていたんだなあ」とありがたく思う。
・年長児くらいの時に、小さい子のお世話をさせてもらえて、年下の子を大切にする気持ちができたのかなと思う。
・リーダーシップをとれる子が多い。それはたぶんひまわりで育ってきたから。   等々。

文章を読んで、そして何より、目の前に居る、たくましく、明るく成長した10人の表情を見て、私たち保育士は、当時を振り返り「一生懸命に保育してきて良かった!!」と嬉しさがこみ上げてきました。

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3日間、ひまわりの園児たちと共に過ごした彼・彼女らの様子はというと、実に自然体でした。

ある日の散歩の道中でのこと。私は子どもたちの先頭を歩いて引率していました。最後尾にも保育士一人、列の真ん中付近にもう一人の保育士プラス、この日、一緒に散歩に出かけた中学生のIくんを配置していました。
一番前を歩いていた私は、子どもたちの列が途中で途切れ、間隔が開いてしまっていることに気づき、立ち止まりました。すると、私の頭の中の考え(”間隔が開いたら横断の時などに危ないので、再び列が揃うまで待とう”)を表情から悟ったIくんが、スッとその(間隔を開けてしまっている)子どもの所に駆け寄り、間を詰めるよう優しく誘導してくれました。
私の表情から、思いを推察し、自分で考え、指示されなくても行動にうつすことができる、そんなIくんの姿に感心しました。そういうことが、この体験期間中に何度も見られ、空気を読む力、考える力、行動力等、生きていく上で必要な力が身についているなあと感じたのでした。

体験最終日には、この3日間の感想や、気づきを自由に書いてもらうことにしました。

・以前と同じで、子どもたちがすごく元気だった。
・先生たちが、どういう意図で僕たちを見てくれていたのかが分かって嬉しかった。子どもが自分で考えて遊べるようにするのが大切だと思った。子どもとの距離感を大切にしている理由がよく分かった。
・自分たちの時より、遊びの種類が減った気がする。
・自分たちの時より、泥あそびをする子が少なかった。
・自分たちの時は、隣に空き地があり、そこで遊べたが、今はその場所は使えなくなっていたので仕方がない部分もあると思うが、もう少し、自由に遊べる木材や大きめの石などがあればいいと思った。
・「~して」と頼ることが多く、まず、自分でなんとかしようとする子が少なかったように感じる。自分たちが園児だった時は、もっと自分で考えて行動しなければならない機会が多かったと思う。
・一人で遊ぶ子どもが少なく感じた。
・ケンカが(以前に比べ)少なかった。保育士や周りの友だちに止められたら、”それで終わり”のような感じで、続きが見られない。
・大きい子と小さい子の関わりが、以前に比べ減っているように思う。自分たちが年長児の時は、小さい子のお昼寝の寝かしつけなどをさせてもらって、関わりが多かった。
・ひまわりの思い出が楽しいことばかりなのは、保育士たちがたくさんサポートしてくれていたんだなと思った。
等々。
とっても率直に書いてくれていて、嬉しかったり、ドキリとしたり・・・。
P1370963でも、「楽しかった。」「良かった。」なんていう、上辺だけの感想文ではなく、それぞれ自分が感じたことや、意見を書いてくれていることにこそ、感動した私たちでした。
早速、職員全員に読んでもらい、改めて、保育の見直しを行いました。「様々な事情により、今のスタイルへ変更した事柄や、縮小された遊びもあるけど、意識次第で改善できることもある!」ということで、乳児クラスの子どもたちと年長児とが、自然な形で関わりを持てるようにしたり、少しずつ園庭に石を増やしていったり、子ども理解を深める為の研修内容を工夫したり、、、。
彼、彼女たちを当時担任していた、佐々木主任や私から幼少期の様子を聞いた上で、現在の成長した姿を見た若手保育士たちにおいても、今回の体験はとても刺激になったようでした。「すぐにひまわりの職員として働いてほしいわ!」なんて声も(笑)。
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それから約8ヶ月後。中学校の卒業式の後、再びみんなが保育園へ寄ってくれました。この日は保護者の方もおいでて、懐かしさもひとしお、子どもたちの成長を互いに喜び合いました。
保育の改革期、今思えば怒濤のような(?)時代を支えてくださった保護者の方々、子どもたちが、ひまわりを巣立ったあとも尚、こんな風に良い影響をもたらしてくださり、私たちは感謝の気持ちでいっぱいです。
今後の子どもたちにとっても、「ひまわりで育って良かった!!」そんな風に思ってもらえる保育園であり続けたいと思います。
(長尾)