❞食❞を通しての活動
保護者の方々も❞食育❞という言葉をよく耳にすると思います。保育所保育指針にも『子どもが生活と遊びの中で、意欲を持って食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。』という項目があります。
大人でも、体調が悪いときだけでなく、ストレスなどの心理的負担がある時も、食欲が落ちたりしますよね。まさに、食は心身の健康バロメーターなのです。
ひまわり保育園でも、健康に過ごすための食に興味が持てるよう、また、自分たちが普段食べている食事・食材がどのような物なのか知るためにも、様々な方法で生活に組み込まれた食育を実践しています。今回の5歳児組だよりでは、その食に関する活動を紹介していきたいと思います。
稲刈り
那賀川町 野菊の里へバスに乗って稲刈りに。石包丁を使って稲を刈り取るため、事前に河原で石を拾い、包丁を作って持っていきました。
自分たちが必要な物は、道具だって作っちゃいます。少し平たい石を選ぶ。「これでいけるかな~?」
稲が切れるように包丁を研ぐ。「もっととんがらす!(尖らす)」と、コンクリートや大きな石に拾ってきた石をこすって削り、刃を作っていく。
野菊の里で刈り方を教わる。興味津々で話しを聞く。そして、いよいよ収穫スタート。
この品種は古代米の弥生紫で稲が細く折れやすい。そして、穂も取れやすい。石包丁を使い、優しく刈っていく。かなりの時間、集中していた。
稲刈りの後は、羽釜でお米を炊いて、その場でおにぎりを頂きました。自分たちが刈ったお米と同じ品種のおにぎりを、とってもおいしそうに頬張っていましたよ。
干し柿づくり
ひまわりでは恒例の干し柿づくり。4歳児組からの活動となります。子どもたちの中にも『軒先で干してあるのは見たことがあっても、食べるのは初めて。』という子もいます。
ピーラーを使って、皮を剝く。「なんか、ツルツルすべる。」と、柿を固定する手にも力が入る。4歳児組の時にもしているからか、すぐにコツを思い出し、作業もスムーズに。
こちらも恒例の(?)ちょっぴり味見。口に入れた後、しばらく自分の舌を引っ張り「なんかくっついとる感じする。」保育士も試してみましたが、渋みとザラザラとした感覚が舌をコーティングした感じです・・・
包丁での皮むきにも挑戦した子も。保育士に使い方を教わると、真剣な表情で剥き始める。少し進めると、「はぁ~」と大きくため息をつき、「なんか急に疲れる。」と一言。かなり、肩に力が入っていた様子。
ヒモで吊して、風通しの良い場所で乾燥させる。「これ、いつ食べれるん~?」どんな出来上がりになるか、楽しみだね。
冬野菜の栽培
子どもたちと、畑に何を植えようかと相談していると、「え~。野菜嫌いやもん。」「スイカやったら植えたい。」との意見。「スイカは、春でないと植えれんかもなぁ。」と言うと、「冬の野菜って何?」との質問が。「キャベツ、大根、ブロッコリー・・・」と答えると、「ブロッコリーは好き!100個、植えよう!」とのこと。さすがに100個植えるのは無理ですが、土作りから、子どもたちと一緒に行いました。
畑に、肥料の入った土を混ぜ込む。均等に栄養が行くように、丁寧に。なじませるために、数日置く。
畝を作る。畝の幅や高さも子どもたちが考えながら。土を盛り上げるのは大人でも重労働ですが、根気よく続けていました。
野菜苗を植える。「栄養がいっぱいいるけんな~。お布団、いっぱい掛けたげなアカン。」と、お布団になる土をたくさん盛ってあげていました。
植えて終わりではなく、自分たちが植えた野菜が育っていく過程に意味があると思っています。収穫できるかどうかも、子ども達次第です。サニーレタス、ブロッコリー、キャベツ、大根はしっかりと大きくなってくれるでしょうか。収穫できる日を楽しみにしています。
今月のおたよりのように、ひまわり保育園では1年を通して様々なアプローチで食育を行っています。今回は紹介出来ませんでしたが、おやつのおにぎりを自分で握って食べたりもしています。つまり、食育はイベントではなく、子どもたちの生活の中に自然と組み込まれるようになっているのです。これからも、子どもたちの心身の健やかな成長に欠かせない食を大事にしていきたいと思います。
記:盛