☆保育士ミニコラム☆NO.1~地域のお年寄りとの交流に見る子どもの育ち~

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6月初旬、大はと組(年長児)21名が2班に分かれ、2日にわたって、園近隣の高齢者デイサービスを訪問し、地域のお年寄りの方とふれあいました。

世代間交流のこの行事は、「次世代を担う子どもたちが、l温かい心を持って高齢者や地域の人々に接し、共に生きる喜びを味わう」ことなどを目的に、ひまわりでは15年以上前から続いています。

 

15年以上前というと、”当園が現在の保育方針に変わる前から”ということなのですが、その境目を経験した私は、ここ数年、デイサービス訪問・交流の行事の度に思うことがあります。それは、子どもたちが、人に対しての警戒心が少なく、人懐こくなったということです。

10年以上前は、毎回クラスに1人や2人はお年寄りを怖がって、泣いたり引っ込み思案になったりする子どもがおり、保育士はその子どものフォローに回っていました。 「核家族化が進み、普段お年寄りとふれあう機会が少ないから仕方ないよね。」なんて当時は言っていたのですが、ここ数年のひまわりの子どもたちを見ると、それだけではないということが分かります。

 

『躾(しつけ)』と称して厳しく叱ったり、『禁止・指示・命令・許可』を多用し、個々の人格を無視した画一的な指導の仕方ではなく、「『子どもを一個の主体として受けとめ、認める』という対応を通して、子どもは自己を肯定する心を育んでいくこと、また、身近な大人から優しく見守られることで、周囲の人への信頼感が育ち、一人一人がかけがえのない存在であることを感じ取っていくのだということ」を意識し直し、「子どもを自由の中に置いてみよう」という子育ての考え方を家庭にも提案してきました。 そのような取り組みが確実に実を結んでいるなあ、と、お年寄りに人懐こく笑いかけ、ふれあいを楽しむ子どもたちの表情を見て感じたのでした。

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まずは、おじいちゃん、おばあちゃんの前で自己紹介を。ちょっぴり緊張気味。

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歌を披露。『しゃぼん玉』や『茶摘み』など、昔ながらのナンバーでは、おじいちゃん・おばあちゃんも口ずさんでくれていました。

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『お寺の和尚さん』の手遊びを一緒に楽しむ。子どもたちがしている『お寺の和尚さん』現代バージョンを紹介します。

♪お寺の和尚さんが かぼちゃの種をまきました 芽が出てふくらんで 花が咲いて枯れちゃって 忍法使って空飛んで 東京タワーにぶつかって テレビの前でじゃんけんぽん!♪

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じゃんけんに勝っても負けてもこれまた楽しい!

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子どももお年寄りも自然な笑顔がはじけます。

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「また来てね」「また来るね」握手を交わして「さようなら」。

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『保育所保育指針解説書・厚生労働省編』より抜粋

~大切なことは時間をかけてゆっくりと醸成されていきます。目に見えない心の育ちや人や物との出会いの中で芽生える子どもの様々な感情や考えを受け止め、多様な経験が重なる中で成長していくその過程を見守り、子どもの自己肯定感を育んでいくことが重要です。主体としての子どもを認め、肯定する気持ちを言葉や態度で子どもに伝えることにより、子どもは自分への自信や人への信頼感を獲得していきます。~

 

私達が保育園でお預かりする0歳~おおむね6歳という期間。これは、生涯にわたって「人格の形成」に大きな影響を与える時期です。温かな人との交流、様々な自然体験等を通して、豊かな感性や、自己肯定感、人への信頼感が育つよう今後も保育に励んでいきたいと思います。(長尾)